花祭窯・藤吉憲典について of 花祭窯藤吉憲典公式サイト

花祭窯(はなまつりがま)磁器作家・藤吉憲典(ふじよしけんすけ)の公式ウェブサイトです。

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<藤吉憲典の略歴>

■1966年~
熊本県玉名市生まれ。
小学校から佐賀県嬉野育ち。
■1981年~
佐賀県立有田工業高等学校デザイン科入学。
毎日絵を描く日々。
■1984年~
東京でグラフィックデザイナーとして就職。
■1989年~
佐賀に帰省、やきもの業界へ。
有田の複数の窯でデザイン・商品開発担当。
■1997年~
佐賀県江北町に花祭窯を独立開窯。
■2012年~
福岡県福津市津屋崎に工房移転。

<主な個展歴など>

■2016年個展
銀座黒田陶苑個展
■2016年 SladmoreContemporary企画展
SladmoreContemporary(UK,ロンドン)
■2015年 ロンドンCOLLECTアートフェア
SladomoreContemporary(UK,ロンドン)から参加
■2015~2005年隔年 個展
桃居(東京都港区西麻布)
■2015~2005年毎年 個展
ギャラリー縄(大阪市中央区南船場)
■2015~2006年不定期 個展
壺中樂(鹿児島市吉野町)
■2014~2012年隔年 個展
うつわももふく(東京都町田市)

その他多数

<作陶理念>

花祭窯(はなまつりがま)藤吉憲典(ふじよしけんすけ)。
やきものが大好きで
大好きなことを仕事にできている幸せものです。

「肥前陶磁の価値を高める仕事をし
肥前陶磁の伝統技術・文化を後世へ伝える」

肥前陶磁(古伊万里、有田、鍋島などと呼ばれるものすべてを含む)の技法は、このままでは文献のなかに眠ってしまいます。

鍋島や柿右衛門のような国が保護するものは別として、本来あるべき肥前陶磁の良さが、機械化と低価格化、なにより携わる人たち(つくる人、売る人)の勉強不足で消えていこうとしていることに危機感を持っています。

伝統とは革新の積み重ねである一方、歴史や基本を大切にしてこそ新しい文化が生まれると考えます。
先人の残してくれた正しい形、基本の絵柄を継承すべき伝統とし、そのうえに自分がつくることの意味、オリジナリティ・アイデンティティを展開していきます。

時代に流されることなく、良いものは良い。
誇るべき肥前陶磁の文化、後世に伝えるべきものを作っていきます。

「Think globally, act locally」
世界に視野を広げ、地域視点の取組を。
魂に響く仕事はどんな文化とも共鳴できると信じています。
地方から世界へ、そんな仕事を発信します。

一人の手でつくるからこそできる仕事、
画一化・巨大化の対極にあるものづくりをします。

<私のこと>

わたしには師匠がありません。
わたしをこの道に導いてくれたのは、窯元勤め時代に指導してくれた先輩たち。
そして、江戸時代の陶工が遺してくれた肥前陶磁の名品の数々。
かれらこそが、わたしの師です。

分業が当たり前の磁器の世界で、
かたちづくりから絵付けまで一人でつくっています。
一人の手でつくるからこそ成し得る価値を追求し、最大限に生かした「ものづくり」をいたします。

器もアートも、特別な空間で畏まって対峙するべきものではなく
日々の生活に彩りを添えてこそ価値があると考えます。
わたしたち日本人は古来より、暮らしのなかで美を楽しんで参りました。
伝統工芸文化と現代のアートを繋ぐ仕事を展開していきます。

藤吉憲典

制作工程

材料

●天草陶石(あまくさとうせき)

  • 熊本県の天草で取れる陶石です。ロクロがひける状態のものを一般に「陶土」と呼んでいますが、正確には土ではなく石を砕いたものです。
  • 精製方法により、いくつもの種類があります。理想とする生地の雰囲気を出すためには、陶土の種類と釉薬の種類の組み合わせ、さらに窯の焚き方と、さまざまな条件の組み合わせ研究が必要です。

●唐呉須(とうごす)

  • コバルトを主原料とした下絵付けの絵具です。染付の青色を出します。現在は天然の唐呉須はほとんどとれないため、合成されたものになります。呉須もまた構成成分の割合によりさまざまな種類があります。さらに自分好みの青色を出せるかどうかは、呉須の種類だけでなく、陶土・釉薬・焼成方法などの条件の組み合せによっても変わってきます。

●釉薬

  • 釉薬もたくさんの種類があります。有田などの産地では、安定して真っ白に焼きあがる石灰釉(せっかいゆう)を使っているところが多いですが、藤吉憲典は合成柞灰釉(いすばいゆう)を使っています。
  • 柞灰釉は柞の木からつくった木灰を原料とした釉薬ですが、現在は国内原料がほとんど無いといわれており、釉薬の専門家がつくる合成柞灰釉を使用しています。天然のものほどではないものの、やはり性質が不安定で、呉須との相性や窯の焚き方に左右されやすい釉薬です。ですが独特のやわらかい肌合いを出すことができ、理想とする古伊万里の雰囲気に最も近づけることの出来る釉薬です。

●上絵の具・金釉

  • 上絵・赤絵と呼ばれる絵付けの顔料です。粉状の顔料を乳鉢ですりつぶし、水で溶いて絵の具にします。色の種類が多く、赤ひとつとっても多様です。藤吉憲典は特に「赤」「緑」の色選びにこだわっています。

材料はいずれも佐賀県有田の歴史ある専門業者さんから仕入れています。
陶土屋さん、絵具屋さん、釉薬屋さん、筆屋さんなどなど・・やきものに必要な材料・道具は、江戸時代から続く産地の強みとプロ意識をもつ有田の専門業者さんを信頼しています。

それぞれの材料のプロがつくってくれる材料を、どのように組み合せて使えば自分の理想とするやきものに最も近づけて行くことが出来るか、条件の組み合わせを試しながら研究します。何年経っても常に勉強です。

そのため毎月1回程度は有田に出向き、自分の目と耳で、最新の情報を仕入れるようにしています。

工程

※以下は、花祭窯・藤吉憲典の制作方法です。

土こね

制作工程土こね有田には「土こね三年」という言葉があります。仕事の基本である「土こね」を一人前にできるようになるまで三年はかかるということだそうで、やきものの仕事の奥深さを感じさせる言葉です。

成形

制作工程、成形形をつくる方法には、「ロクロ」を使う方法や「たたら」という板状の土を張り合わせてつくる方法などがあります。もちろん、すべて手づくりです。

削り

制作工程、削り美しく無駄のない形に仕上げる工程が「削り」です。出来るだけ削る部分が少なくて済むようにロクロ成形をするのが、形作りにおける腕の見せ所です。

素焼き

制作工程、素焼き素焼きは最初の焼成です。藤吉憲典は現在は電気窯を使っています。最高温度900度くらいまで引き上げます。素焼きでは9時間程度焼成します。

下絵付け

制作工程、下絵付け素焼きから上がった生地に、呉須(ごす)というコバルトの絵の具で絵付けをします。これが染付(そめつけ)の青色になります。
藤吉憲典は唐呉須(とうごす)を使っています。絵付けの際は鉛筆でデザインの方割りの印を付けることはありますが、下描きをしないのが藤吉憲典の特徴です。下書きをしないことによって、筆がとらわれず生き生きとした線を描くことが出来ます。

本窯

制作工程、本窯焼成下絵をつけ終わった生地に釉薬(ゆうやく)をかけて、本窯焼成をします。おおよそ24~25時間かけて、最高温度1300度近くまで上げていきます。途中ガスを入れながら還元焼成をかけます。
電気窯では、時間と温度を管理するプログラムが組み込まれていますが、その日の気象などによる影響があるため、1時間ごとに温度の上がり具合や窯の内部の様子を確認しながらグラフをつけています。
染付の文様だけのものは、これでお終いです。

上絵付け

制作工程、上絵付け赤絵・染錦の文様が入るものは、上絵付け(赤絵付け)を施します。粉状の顔料をよく磨り潰し、水で溶いて絵の具にします。
藤吉憲典は器や作品を手に持って絵付けをしますが、絵を赤絵窯に入れるまでは、描いた部分に手が触れると消えてしまうため、繊細な気配りが必要になります。
全体に赤絵を施す場合などは、一度途中で赤絵窯に入れて焼き付けてから、残りの絵付けをすることもあります。

赤絵窯

制作工程、赤絵窯赤絵窯では6時間から7時間かけて780度まで温度を上げていきます。絵の具の種類により気化する温度が変わってくるため、温度を上げすぎないよう注意も必要です。金やプラチナを使用する場合は、より低い温度での焼成となります。
赤絵窯からあがってきたら、底の仕上げをして、検品してできあがりです。